境内案内図
本堂
本堂は間口約19メートル(10間半)、奥行約13.6メートル(7間半)、入母屋(いりもや)造り、瓦葺。
現在の本堂は文化5年(1808年)、32世佛州禅師の代に建てられたものである。
本尊
本堂正面須弥壇(しゅみだん)上に奉られる本尊は如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)、その両脇に奉られる脇侍(わきじ)は四天王の内、多聞天(たもんてん)と持国天(じこくてん)である。延宝6年(1678年)仏師運慶14代の孫、清水美濃守康信の子、喜内高利の作と伝えられている。
開山堂
本堂内左奥の階段を上りきるとそこは開山堂である。
奉られる三体の木像の内、中央が林叟院の御開山“崇芝性岱(そうししょうたい)禅師”、右が永平寺開山高祖道元禅師、左が林叟院の事実上の開山で二世の”賢仲繁哲(けんちゅうはんてつ)禅師”である。
坐禅堂
雲水(修行僧)が修行に励んだ様がしのばれる、坐禅の道場である。
最初の坐禅堂は焼失したとみえ、元和7年(1622年)に再建、これも元禄15年(1703年)に焼け、現在のものは享保13年(1729年)に建てられたと伝えられる。
中央に奉られるのは「文殊(もんじゅ)の知恵」で知られる文殊菩薩、昔から雲水の修行を見守り続けてきた。
今もなお一般参禅者によって生きた修行の道場であり続ける。
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庫裡
庫裏は入母屋(いりもや)造り瓦葺、間口約11メートル(6間)、奥行き約22メートル(12間)で、文化5年(1808年)二十一世佛州(ぶっしゅう)師の代に建築された。
経蔵
木造一重桟瓦葺(いちじゅうさんかわらぶき)、方形(ほうぎょう)造り。内部は正面奥に仏壇、中央に八角形の輪蔵(りんぞう)、格天上(こうてんじょう)で4.84メートル(16尺)四面。
経蔵は一切経などの経典を納めておく蔵で、内部中央の輪蔵は回転し、それを回転させることにより収納されている経典の功徳を得られるとされる。
二十世心牛祖印(しんぎゅうそいん)師が発願し、明和8年(1771年)に工匠(こうしょう)石川市之丞(いしかわいちのじょう)及びその子、権右衛門により上棟された。
師は中央の輪蔵に一切経全6930巻を納めることを目標としたが、その一部950巻を収納できたのみと伝えられている。
平成23年の開山500回忌事業として外壁、輪蔵ともに修復された。
昭和42年12月焼津市指定文化財指定。
経蔵内部の輪蔵の様子
衆寮(しゅりょう)・庭園
衆寮はかつて多くの修行僧が起居の生活を共にしいていた。
間口約6メートル(3間半)奥行き約9メートル(5間半)の寄棟造りで4つの部屋に分かれている。
その衆寮から池を有する美しい庭園を眺める事が出来る。その山から流れる水の音と林を行き交う鳥の鳴き声に一層心が落ち着いていく。
池を挟んだ向かいには右手に稲荷大明神、左手には不動明王が奉られている。